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地球の資源を使い切る日「アース・オーバーシュート・デー」から始まる

COP26に向けた「100日の可能性」キャンペーン

グローバル・フットプリント・ネットワーク、スコットランド環境保護庁、シュナイダーエレクトリックが発表した「100日の可能性」キャンペーンでは、オーバーシュートの影響に国・都市・企業が備えるための実行可能な方法を紹介していきます。これらの対応は、「アース・オーバーシュート・デー」の日付を遅らせること(#MoveTheDate)にもつながっていきます

米国カリフォルニア州オークランド市 – 2021年7月29日 国際的な環境シンクタンクであるグローバル・フットプリント・ネットワーク、スコットランド環境保護庁は、「アース・オーバーシュート・デー」である本日、 「100日の可能性(100 Days of Possibilities)」キャンペーンの立ち上げを発表しました。このキャンペーンは、地球の生態系が1年間に再生できる生物資源の供給量と、人類のエコロジカルフットプリント(自然資源使用量)とのバランスをとるための実践可能な解決策を提案することを目的にしています。

近年、世界がまだ十分な備えがないまま、異常気象への懸念だけが高まり続けています。そんな中、100日後にグラスゴー(イギリス)で開催される国連会議COP26は、世界の気候変動対策の最後のチャンスだと言われています。

しかし「COPで何が決定されるかにかかわらず、今、行動を起こすのを待つことには何のメリットもありません」と、グローバル・フットプリント・ネットワークのCEOであるローレル・ハンスカム氏は強く主張しています。「確かに、今回のパンデミックは、災害に直面した時、社会が迅速に変化できることを証明しました。しかし、準備ができていなかったために、経済的にも心理的にも大きな犠牲を強いられました。それとは対照的に、気候変動や資源の制約は、予測が可能な未来です。自ら準備をする個人・機関・政府が有利になるでしょう。世界的なコンセンサスは、私たち自身がリスクにさらされていることを認識するための前提条件ではありません。だからこそ、どこにいても、断固とした行動を、今起こすことが大切になるのです」と述べています。

実際、多くの人が「グリーン・リカバリー」を謳い文句にしていますが、その実現は遅々として進まず、短期的な政治・経済の目標に後押しされて旧態依然な状態が続いています。しかし、このままほっておいてはは、手に負えないほどの経済的リスクが発生し、気候変動や資源制約の増加に対応できない負の資産を抱え込むことになりかねません。持続的な繁栄と幸福を得るためには、人類の最も差し迫った問題である生態系のオーバーシュートに対処するための創意工夫が絶対に必要となります。

幸いなことに、「地球の使いすぎ」の状態であるオーバーシュートを解消し、自然の回復をサポートするための多くの解決策が、実は今日すでに存在しています。商業的に利用可能な技術やサービス、地方自治体の開発戦略、国の公共政策、あるいは市民社会や学界が支援する最善な方法など、経済のあらゆる分野にチャンスがあります。

スコットランド環境保護庁のCEOであるテリー・アハーン氏は「地球1個分の繁栄の考えを採用したことで、環境保護庁とスコットランドのビジネス界との関わり方、支援の仕方が変わりました。法を執行するだけでなく、脱炭素化、脱物質化された経済の中で企業がどのような成功を収めることができるのかを想像し、それに基づいて戦略的な意思決定を支援しています」と語っています。

「100日の可能性(100DaysofPossibility.org)」キャンペーンでは、COP26の開催日まで毎日、 食品廃棄物の削減、冷媒の管理、小規模な家畜の飼育、スマートエネルギー、低炭素セメント、自治体のフットプリントに応じた開発戦略、低フットプリント観光など、オーバシュートを改善していく方法を紹介していきます。

[参考資料]

100日の可能性
アース・オーバーシュート・デイ
プレスリリース(多言語)
2021年「アース・オーバーシュート・デー」に関する6月のプレスリリース
発売記念ビデオ

[エコロジカルフットプリントについて]

エコロジカルフットプリントは、最も包括的な生物資源会計指標です。エコロジカルフットプリントとは、食料、木材、繊維、炭素の吸収、インフラの設置など、生物学的に生産可能な土地に対する人々の需要をすべて合算したものです。現在、化石燃料の燃焼による二酸化炭素排出量は、人類のエコロジカルフットプリントの61%を占めています。

[グローバル・フットプリント・ネットワークについて]

グローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)は、世界が地球の許容範囲内で生活し、気候変動に対応できるよう支援する国際的シンクタンクです。2003年以来、私たちは50カ国以上、30都市、70のグローバルパートナーと協力し、影響力のある政策や投資決定を促す科学的洞察を提供してきました。私たちは共に、ひとつの地球の限界内で、すべての人が繁栄できる未来を創造していきます。www.footprintnetwork.org

[スコットランド環境保護局について]

SEPAは、スコットランドの主要な環境規制機関です。SEPAは、スコットランドの環境を保護・強化し、地域社会や企業が地球1個分の資源の中で繁栄することを支援するために日々活動しています。これを私たちは「One-Planet Prosperity(地球1個分の繁栄)」と呼んでいます。また、国の洪水予報、洪水警報、戦略的洪水リスク管理機関として、将来の洪水の増加に備えてスコットランドがより強力に準備できるよう支援しています。www.sepa.org.uk

[問い合わせ先]

Amanda Diep (アメリカ・カリフォルニア州)
+1 (510) 839-8879 ext.304
amanda.diep@footprintnetwork.org

Laetitia Mailhes(フランス)
+33 650 979 012
laetitia.mailhes@footprintnetwork.org

Martin Grey(スコットランド)
SEPA コミュニケーション・マーケティング部門長
+44 (0)7557 497 947
media@sepa.org.uk